白湯はいつ飲むのが最適?朝に飲む白湯がおすすめな理由

朝に白湯を飲むのがおすすめな理由―習慣にして体質を改善しよう

みなさんは白湯と聞いて、飲み方や飲むタイミングなど考えたことはありますか。基本的には、白湯もし好品の一つですので、細かいことを気にせず、好きな時に好きなように飲めばよいですが、健康のために飲まれるのであれば、適切な方法を知りたいですよね。

以前に、寝る前に白湯を飲むことで、副交感神経が優位になり、睡眠の質が上がることを紹介しました [1]。ですが、夜に白湯を飲むと、夜間にトイレに行きたくなってしまうこともあり、場合によっては、睡眠の途中で起きてしまい、睡眠の質を下げてしまうことがあります。

朝は習慣にしやすいメリットがあることに加え、便秘の改善や肌の保湿、冷え性の対策など、朝に摂取するのがおすすめです。

この記事では、朝、白湯を飲むメリットやおすすめの飲み方について紹介をしたいと思います。

朝の白湯習慣がおすすめの理由

習慣にできるから

早速ですが、朝に白湯を飲む第一のメリットは習慣にしやすいからです。もちろん、白湯の効果とは直接関係はないですが、朝は得意な人でも、苦手という人でも、みなさん、規則正しく過ごしているため、習慣にしやすいです。

習慣にすることは継続して飲むための第一歩ですよね。習慣にできると、多少面倒だと思っていても、苦に感じることがなく継続できます。

一般的には、簡単な作業であれば、短い期間でも習慣として定着しますし、大変な作業は定着するまで時間がかかると言われています。白湯を飲む習慣が大変に感じるか、楽に感じるかは人それぞれだと思いますが、習慣にするためには、まずはできるだけ負担にならない方法で始めてみてください。

肌の保水と便秘の改善効果

白湯には肌の水分を保つ効果や便秘を改善する効果があります [2,3]。

朝は忙しくてゆっくりしていられないという方も多いかもしれませんが、排便が規則正しいと、生活の質の改善を実感することができるので、便秘の方は、ぜひ、朝の白湯の習慣を試してみてください。

白湯による便秘の改善は、水を飲むことで便の水分が増え、腸をなめらかに通過するためです。便秘の改善によって、おなか周りがすっきりし、老廃物を取り除くことで肌の状態も改善が期待できます。

また、水分をしっかりとることで肌の保水ができます。皮膚の水分は小じわや肌の乾燥を防ぎ、さらには、肌のバリアー機能を高めることにつながりますので、ぜひ、白湯を飲む習慣をつけて、きれいな肌を維持できるようにしましょう。

朝に飲む場合の注意点

次に、朝に飲む場合の注意を紹介します。

まず、第一に挙げられるのが、便秘改善も肌の保水も朝に限った効果ではありません。肌の保水に関しては、温度も限定はされないので、白湯でなくても、ただの水でも効果が期待できます。つまり、朝にオススメする最大の理由は、一日を気持ちよく過ごすため。そして、習慣にしやすいという2点になることをご理解ください。

また、白湯は末しょうの血流を改善し、副交感神経を優位にする飲み物ですが、このような飲料は一時的には深部(からだの中心部)の体温を上げますが、手足からの発汗により、最終的には体温が低下します。

朝は一日の中で最も体温が下がっている時間帯なので、体の深部から温まりたいと思う方は、ショウガやシナモンなど、体を温める素材を白湯にプラスして、上手に対応してください。

白湯の作り方

では、つぎに白湯の作り方を簡単に紹介したいと思います。

一番一般的な白湯の作り方は水を5分ほど沸騰させて、40から60℃程度まで冷まして作ってください。ポイントは5分以上沸騰させることでカルキ[5]を除くことができる点と、60℃以下まで冷ますことで、口の中がやけどをしないようにしている点です。

そんなに時間をかけて作れないという方は、電子レンジを使ったり、水で割って冷ましたり、自分の生活に合った方法で初めて見てください。継続のためにも、負担にならない方法を優先した方が良いです。

つぎに、冷え性の方などにオススメなしょうが湯の作り方を紹介します。白湯や麦茶などは血流を改善するため、手足が冷えるタイプの冷え性にはおすすめの飲み物ですが、実は、体の深部体温は下がります [4]。

ショウガはジンゲオール、ショウガオールという2つの成分がダブルで働いて体を温めてくれる面白い食材です。ジンゲオールは血流を改善し、手足を温めるのですが、ショウガオールは深部を温めます [5]。このように手足も体の深部も温める食品素材は本当に数少ないので、ショウガは冷え性の方にとっては魔法のような食材です。

しょうが湯を作る場合には白湯1杯に対して、おろしショウガをスプーン1杯ほど入れるのがよいです。甘味にはちみつやオリゴ糖、ゆず茶のようなジャム上のものをお好みで加えてもおいしく召し上がれます。また、かたくり粉などでとろみをつけるとより体が温まります。

まとめ

この記事では、朝に白湯を飲む習慣について紹介をしました。大きな効果としては、便秘の改善、肌の保水があげられますが、効果だけを考えると、必ずしも朝にこだわる必要はありません。ですが、排便習慣は生活の質への影響がとても大きいので、朝に白湯を飲む習慣は強くおすすめしたいです。

また、朝は体温が下がっているので、しょうが湯など、体を温めるような飲み方もおすすめです。自分に合った味をみつけて、白湯生活を楽しんでください。

  1. 白湯を飲んで肌の水分維持をしよう
  2. Palma L, Marques LT, Bujan J, Rodrigues LM. Dietary water affects human skin hydration and biomechanics. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2015;8:413-421. Published 2015 Aug 3. doi:10.2147/CCID.S86822
  3. 白湯を飲んで末端冷え性を改善しよう
  4. 志賀 靖子, あたため上手な「しょうが湯」しょうがの効果とアレンジレシピ, クラシエの漢方, https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/eat/?p=2723 (閲覧日2022/9/22)
  5. 現在の水道水では、”次亜塩素酸ナトリウム”が主流ですが、沸騰させることにより残留塩素を除くことができることは同じです。ここでは一般的な名称のカルキとして説明します。
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食品会社で働く研究者。PhD(博士、医科学)。2児の父。普段は食品の機能性研究を行っています。食品の機能性、公衆衛生、栄養疫学、腸内細菌、統計解析などに興味があります。Twitterやブログで研究の紹介などを行っています。